オートバイ用ヘルメットのディスプレイ表示にたづがね角ゴシックInfoを使用

たづがね角ゴシックInfoは、バイク走行中でも文字の読み取りが瞬時にでき、夜道や悪天候でも読みやすく、瞬読性・判読性が高いと評価されました。
トピック
デザイナー

Monotypeの和文書体たづがね®角ゴシックInfoが、株式会社SHOEIのオートバイライダー向けスマートヘルメット「Opticson(オプティクソン)」のヘッドアップディスプレイの表示用書体として採用されました。 

このスマートヘルメットは、スマートフォンとBluetooth接続することで内蔵のヘッドアップディスプレイを通して、運転中に必要な文字情報を表示できる画期的な製品です。ヘルメットを着用したライダーの視点から約9 m先に文字情報が浮かび上がるように見えるため、運転を妨げず、安全に情報を表示することができます。表示は、上段に「目的地到着予定時刻」「電話発信」などの情報、下段に左折・右折の指示や目的地までの距離などのナビゲーション内容が表示されます。 

この表示システムの開発は、車載表示器の設計と製造を行うNSウエスト株式会社が担当。ライダーがヘルメットを着用すると視野が狭くなるため、視線移動を最小限にしながら、安全に運転できるための表示が求められました。また、車に比べて振動が大きいオートバイの運転において、どのような書体が読みやすいか、Monotypeとともに検討を行いました。 

揺れている状態でも瞬時に文字が読み取れること、夜道や悪天候でも文字が読みやすいことなどを考慮し、瞬読性・判読性が高い、たづがね角ゴシックInfoを採用。たづがね角ゴシックInfoの簡易的なエレメントやさっぱりとしたイメージ、表示するシンボルマークとの調和、先進的に感じられる点などが評価されました。 

走行中にドライバーの視点から見えるイメージ

 

実際に、たづがね角ゴシックInfoで文字情報を表示したヘルメットを着用して試運転を行い、文字の太さや大きさなどを検証。細いウェイトでは読みづらくなることから、太さはMediumを基本とし、小さく表示するグラフィックにはRegularやBoldを使い分けています。 

瞬時に文字情報を読み取り、適切な判断が必要とされる運転時において、ライダーの負担を軽減し、安全を守るための文字として、たづがね角ゴシックInfoが選ばれました。シビアな環境下でも頼りになる書体としてご利用いただいています。 


Monotypeでは、企業が選ぶ書体についての課題や問題点を一緒に解決させていただくお手伝いをしています。まずはお気軽に相談ください。無料相談会も実施しています。 

1.    フォントのライセンスや使用条件
商用利用やオンラインでの使用に制約がある場合、ライセンスについてご説明いたします。 

2.    フォントの選択に迷っている
企業ブランドに適切なフォントを選ぶことが難しい場合、目的やブランドイメージに合ったフォントを見つけるお手伝いをいたします。 

3.    フォントのカスタマイズ
リブランディングなど特定の要件に合わせてフォントをカスタマイズしたり、変更したりする必要がある場合、その企業のフェーズやご要望に沿った形でプランをご提案いたします。 

4.    フォントの検証や評価
複数のフォントを比較したり、検証したり、どれが最適な選択肢かを判断する必要がある場合、専門的なアドバイスをいたします。例えば、現状のブランドロゴや使用書体についての評価、問題点などをフィードバックし解決方法をご提案します。 

よくあるご質問(ライセンスについてなど) 
代表:03-5275-6251 
営業:03-5275-6672  (担当:松崎) 
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小林章

Akira Kobayashi

欧文書体の国際コンペティションで2度のグランプリを獲得して 2001 年よりドイツ在住。有名な書体デザイナーであるヘルマン・ツァップ氏やアドリアン・フルティガー氏との共同での書体開発のほか、Monotype日本デザインチームが開発して2017年に発表された同社初の日本語書体「たづがね角ゴシック」のディレクションを担当した。欧米、アジアを中心に講演やワークショップを行うほか、世界的なコンテストの審査員も務める。2022年にType Directors ClubのTDCメダルを受賞。

土井遼太

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東京藝術大学デザイン科を卒業後、英国レディング大学書体デザインコースで修士号を取得。2015年よりタイプデザイナーとしてMonotypeに在籍し、企業制定書体の開発や、書体選定をはじめとしたコンサルティングを行う。また、たづがね角ゴシックの制作メンバーとして、ファミリー展開やCJK(中日韓)言語に対応した字種拡張にも携わる。最近では、大学での講義や国際カンファレンスでの登壇を通じ、国内外に向けて書体についての発信をしている。